今一度、問いたい

  • 2016年5月30日 13:42

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憎むべきは戦争と語り、核廃絶の平和の理想を語ったオバマ大統領の演説を傍らで聞き、また自らも核廃絶を語った安倍晋三首相に、平和と云う理想の意味を、またその理想そのものの意味を今一度尋ねたい。

平和、平和、と言っているだけでは平和は来ないことは誰でもわかっている。争いが絶えることのないこの人間の世で、平和は大いなる理想と云うことは誰でも 分かっている。ある時は忘れ、ある時は棄て去り、ある時は踏みにじり、破壊した。一時たりとも人間は争いを止めなかった、そんなことは誰でも知っている。
しかし人間は決してその大いなる理想を手放すことなく、時には這いつくばるようにして擦り寄り、時には祈るようにして現実を擦り合わせてきた。その平和を実現するための絶え間ざる行いが人間の営みの本質と云っても過言ではない。

私たち日本人は、幾百万、幾千万の血であがなった、人間の人類の願いとも云うべき戦争放棄という大いなる理想を手に入れた。遥か彼方の光が見えるからこ そ、その光に向かってこの現実を擦り寄らせることも出来るのだ。その光を取り去ってしまえば、もはや私たちはその暗闇の中で立ちすくむことしか出来なくなってしまう。理想というものは、そこに現実を擦り寄らせるものなのだ。擦寄る理想がなければ、なんの平和なのだ。そんな人類の宝を、光を、一人の人間の我欲でどうして捨て去ることが出来ようか。

核廃絶の平和を願いながら、一方ではその平和の理想を捨て去ろうとしている安倍晋三首相に、また首相率いる自民党に一票を投じ、また、これから一票を投じようとしている人達に、平和と云う理想の意味を、またその理想そのものの意味をもう一度、いや何度でも問いたいのだ。

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