ゴングとのセッションのこと

  • 2018年6月 2日 12:19

最近はずいぶん様変わりしたといっても絃楽器の絹絃文化圏は東南アジアから中国、朝鮮半島、日本と広がっている。それと同じようにベトナムやカンボジア、ラオスの国境あたりの山岳のいわゆる少数民族と呼ばれる人達には「ゴング」を使う文化が広がっている。様々な儀式に、ことあるごとに「ゴング」を打ち鳴らす。複数の人が一人一個のゴングを異なった間で鳴らすので全体を聞くと一つのメロディーになっている。「銅鼓」は知っていたけれどこの「ゴング」はとても新鮮に聞こえた。

現地採録をしたのは同志社大学・文化情報学部助教の柳沢英輔氏で、かれは、音楽に限らないのだが、音から文化に迫ろうと云う研究をしている。ベトナムには十年以上前から現地で様々な音を採録して論文も執筆している(写真は彼の論文から)。偶然に彼の音源を聞いてとても新鮮に聞こえたのでライブでセッションしてみた。今回のYou-Tube投稿は彼の了解のもとでアップしている。

倍音が多く音程が安定していないゴングとの演奏はけっこう工夫がいる。まず全体の音の高さがだいたいどの位なのか判らなければいけない、ようするにA=440Hz、というもので、440なのか430なのかはたまた455あたりなのか・・・。単音で鳴っている楽器だったらチューナーで判別できるのだがこの複雑にからみあっているゴングではチューナー測定は無理で、とくにフレットが付いている楽器は散声(開放絃)をチュウニングしなければならない。それと、どのキーで(調)、どのようなスケールで演奏すればいいのか、これも感覚で見つけ出す。

で、その結果、音高はだいたい、427Hzで、キーはC#、スケールは「Mixolydian」(ミクソリディア)という旋法とした。「Mixolydian」は教会旋法の一つで、普通のメージャースケールの7度がフラットしているいわゆる7thスケールだね。そんなわけで題名が『427Hz C# Mixolydian with Gongs』とうわけです。でもほんとにセッションしなけりゃ意味ないかな、彼等、彼女等とセッションしたら迫力だね。

5月22日「コタン」ライブビデオ
http://akifukakusa.com/blog2/2018/05/post-321.html

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