『ダラ 2010』2010年9月13日「スイートベイジル」コンサート

秦琴:深草アキ
笙 :豊剛秋(ぶんのたけあき)
編鐘:孟暁亮(モンシャオリャン)
パーカッション:甲斐いつろう

6/8拍子のようなこの『ダラ・2010』は、単純なメロディーの繰り返し以外は、四人共ほとんど即興的に演奏している。私は、以前は一時間以上も即興演奏することもあったのだけれど、今は短くまとまった曲を演奏する機会の方が多くなった。

「笙」の豊氏は千年来「笙」を生業とする京都方の楽家の血筋で、今も宮内庁で「笙」と「琵琶」を担当している。以前、彼の「笙」のデモCDを聞いて本当に驚いた。なんと「笙」でジャズを演奏していたのだ。今まで私が考えていた「笙」のイメージが完全に変わってしまった。「笙」はこんなにも可能性がある楽器なのかとはじめて知った。彼の「笙」を知りアレンジも随分広がった。

「編鐘(へんしょう)」の孟(モン)氏は来日してから、もう久しい。「北京中央音楽学院」を卒業し、中国、日本で打楽器を中心に自身の演奏活動を展開している。その中で、古楽器の復元演奏も彼の重要な演奏活動の一つであり、「正倉院」の楽器も復元している。「編鐘」は「鐘」を連ねた楽器なのだが、その「鐘」は三千年以上の歴史を持つ中国最古の楽器の一つで、その最も有名なものは1978年に発掘された「曽侯乙墓(そうこういつぼ)」から出土した「編鐘」であろう。この墓は紀元前5世紀の戦国時代前期に「曽(そう)」と云う国を治めていた「乙(いつ)」と云う支配者の墓で、そこから65個の「鐘」が吊るされた巨大な楽器がほぼ完全な形で発掘されている。

今回のコンサートではその一部を復元した「編鐘」で参加してもらった。一部といっても映像を見て頂ければ判るのだが、三十数個の「鐘」が吊るされた巾が6.5m程もある大きな楽器である。さしずめ、Chinese Carillon(チャイニーズカリヨン)と云うところかですか。

「パーカッション」の甲斐氏との付き合いはもう随分長い。彼の兄と私が学生バンド仲間であったので、彼が上京してからの付き合いだ。私が「秦琴」と出会う前からなので当然四十年近い前になる。私が結成した「観世音」というバンドでもドラムで参加してもらっている。「秦琴」を弾くようになっても時にふれ「パーカッション」で参加してもらっているが、大らかで時に優しく力強い打楽器は彼独自のものだ。

「ダラ2010」から始まった今回の六本木「STB 139 スイートベイジル」での演奏はコロンブスの卵と一緒で、演奏してしまえば何か当たり前の音のように聞こえるのですが、この様な音楽は、こんな楽器の組み合わせの音楽は、実は今まで一度も無かった。私の音楽活動の中で様々な「縁」で出会った音楽家達と創り出すことが出来た唯一無二の音楽と思っている。

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関連ブログ その2 http://akifukakusa.com/blog2/2010/10/2stb.html
写真はフォトアルバムに http://akifukakusa.com/photoalbum/2010/10/2010913stb.html