『晴れのち晴れ』2010年9月13日「スイートベイジル」コンサート

秦琴:深草アキ
笙 :豊剛秋(ぶんのたけあき)
パーカッション:甲斐いつろう

この曲を演奏する時、いつもある人のことを思う。その人は若狭地方のある小さな阿弥陀堂に住んでいた。祇園祭の時期になるとかつて父母と暮らしていた京都まで自転車を漕ぎ、野宿をしながら祇園祭を見に行った。私達よりも何倍も喜びを感じる彼の目には、なんときらびやかで、その鳴り響く音は、彼を幼き日々の父母のもとに連れて行ったことだろう。音楽をすることは大きな喜びがあるものだが、私は時々、自分は彼程の喜びを持っているのだろうかと思ったりもする。その彼が京都まで自転車で行くのに雨では大変だろうと思い、「晴れのち晴れ」と題名を付けて演奏している。
力強いパーカッションソロを展開してくれた甲斐氏との付き合いはもう随分長い。私が「秦琴」と出会う前からであるから、40年程になる。大らかで時に優しく力強い打楽器は彼独自のものだ。豊氏の笙のアドリブの部分は豊氏の提案で少しリズムを変え、4ビートのような感じになっている。