今回の渡辺邸のコンサートのゲスト共演者は”笙”の豊剛秋(ぶんのたけあき)さんです。彼には東京青山マンダラでも手伝ってもらいDVDにもなってます。豊(ぶんの)家は千年来つづく京都方の”笙”の楽家で江戸時代は”豊原”と名のっていたそうです。とにかく彼は”笙”の使い手です。この前かれのライヴを見にいったのだけれど、古典のほかにジャズやピアソラの曲を笙とは思えないようなテクニックで演奏してました。
もちろん宮内庁の楽師ですから普段は宮中で雅楽を演奏している訳ですが、かれは”笙”という楽器の可能性を追求している音楽家です。古典の深さもあるけれど、ここ千年来これほどのテクニックを持った笙の演奏家はいなかったんじゃあないかと思うぐらいです。まあ昔はこんな風に弾く必要性はまったくなかったんだけれど。そういう意味で彼は”現在的”(”現代的”よりもこっちの方が良いと思います)な楽師です。そこが僕はおもしろいと思っています。
雅楽で琵琶と笙のデュエットの曲なんかもあっていいとおもうのですが(実際にはないでしょう)弦楽器の秦琴との演奏もなかなかよいですョ。私の曲は古典的な感じのものはあまりないのですが今少しづつ構想をねっています。
古代の中国では“阮”(秦琴とは呼ばれていませんでした。この辺の事情は“秦琴の歴史”を読んでください)と“笙”のデュオの演奏なんてあったのかなあ。。。。。。 宋代では“小楽器”とよばれる分野があってデュオとかトリオの演奏が流行っていたのだけれど、“阮”と“笙”の演奏もあったのかもしれない。
新潟は少し遠いですが興味のある方はスケジュールにある“渡辺邸コンサート”を見てください。