沖縄王朝式楽楽器の「長線」の音楽表現について

  • 2013年5月21日 22:45

ここのところのブログとまったく関係ない話しですが・・・。平成17年に(財)海洋博覧会記念公園管理財団の「琉球楽器音階調査」に参加したのですが、そのことを前のブログに少し書きました。これから少しずつその時の話し等を書いていこうと思います。その一回目です。
以前のブロはこちらです。
http://akifukakusa.com/blog2/2012/12/post-94.html

名古屋の徳川美術館所蔵の「琉球式楽楽器」の復元は1997年頃にも行われていますが、今回はそれとは異なり、現物の楽器を実測し、また笛は徳川氏立ち会いのもとで実際に吹いてその音を測音したりして、綿密に行われました。特に笛の測音はおそらくもう出来ないでしょう。今回はその琉球式楽楽器の一つである「長線(ちゃんせん)」についてです。

「長線(ちゃんせん)」は以前のブログにも書きましたが、所謂「阮咸(げんかん)」もしくは「阮(げん)」と呼ばれる楽器の、明清時代の形のものです。美しい漆の装飾が施された楽器です。この装飾などについては、徳川義宣氏が『漆工史』第14号で「新出の琉球楽器 長線 」と題されて論考されているので興味のある方はそちらを参照して下さい。僕の担当はその様な研究とは異なり、実際にこの「長線(ちゃんせん)」がどのような音楽を奏でていたかを模索することです。

その大きな手掛かりは、一度も手直しされていないフレット(柱、品)です。ここでは詳しく書きませんが、試行錯誤の末、糸の太さを決め、四度調絃を一番合理的な調弦としました。しかしそれだけでは本当に音楽が出来るかどうか判りません。勿論本物の「長線」に絃を張って弾くことは叶いませんので、同寸法のレプリカを製作し、四度調絃の場合どのような音楽表現が出来るのかを試みた結果、八種類の音階を演奏することが出来ました。あまりうだうだ書いていても面白くないので、以下実際の音の1回目、「道宮」と「正平調」いう音階を基にして弾いてみた音を聞いて下さい。

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