レコーディング、前半終了報告

スタジオマークに於ける、新譜レコーディングの前半のセッションが無事終了しました。参加ミュージシャンは、チェロの諸岡由美子さん、ウッドベースの齋藤順さん、打楽器の甲斐いつろうさん、打楽器の吉口克彰さん、笙の豊（ぶんの）さん、もちろん、アレンジとキーボードの渡辺雅二さん、それと秦琴の私、そしてエンジニアの西岡正道さんです。打楽器の甲斐いつろうさんはコタンライブでもお馴染みですね。笙の豊（ぶんの）さんはこのところちょっとご無沙汰ですが、ライブなどでいろいろ手伝ってもらっています。チェロの諸岡由美子さん、ウッドベースの齋藤順さん、そしてエンジニアの西岡正道さんは僕としては初対面でしたが、皆さんとてもいい感じで、楽しくいいレコーディングができました。とりあえず、前半はおつかれさまでした〜〜。

CDタイトルや曲名など、まだ詳しくは書きませんが、発売の日はもう決まっています。来年の1月1日の元旦です。おめでたいでしょ！ これにはちょっと訳があるんです。来年は発売元のオーマガトキレコードの設立30年なんですが、その記念で、1年間かけていろいろCDを出したりイベントをしたりします。そのオーマガトキレコードの第一号アーティストである僕が最初の発売ということになった訳です。そう云えば、オーマガトキレコードはコロムビアレコードの子会社になりました。1986年発売の「秦琴」以来、27年以上お世話になった僕としては、ちょっと複雑な気持です。

アレンジとキーボードの渡辺さん。渡辺さんには、1991年発売『絲夢』のシンセでの参加以来、NHKドラマ（宮尾登美子原作）「櫂」「春燈」、また坂東玉三郎さんの舞台「海神別荘」、尾上松緑さんの「夏の夜の夢」やコンサートなど、折りにふれて手伝ってもらっています。今回もいろいろ無理を聞いてもらっています。ありがとうございました。でもまだ後半のレコーディングセッションやミックスがありますね。これからが、けっこう大変です。ミックスとは名の通り、別々に録音した音をまとめ上げる作業のことです。

6月22日の皆さん。右から、チェロの諸岡さん、齋藤さん、私、甲斐さん、渡辺さん。

24日の皆さん。真ん中が打楽器の吉口克彰さん、そして左が笙の豊剛秋さん。

吉口さんの楽器、名前を「流水鉦（るすいしょう）」と云います。円筒状のものがいくつか並べてありますね。これを、マレットで叩くのですが、皆さんこれなんだかお判りですか？ 昔の二槽式洗濯機の脱水槽の部分です。ホローで出来ているのですが、それこそ30年程前、音楽大学打楽器科を卒業した吉口さんは、この脱水槽がとてもいい音で鳴るのに気付き、夢中で何十個と集め、そこの中から音程が合うものを選び、自らの楽器として演奏をし始めたのです。驚く程いい音がしますよ。1991年発売『絲夢』の中でも一曲参加してもらっています。「蓮の咲く池」です。discographyのサイトでちょっと試聴出来ますが、まさにこれぞ唯一無二という音です。

吉口さんはインドのドーラックという両面太鼓も叩きます。ところで、彼の上になんか黒い、覗き込んでいる頭のようなものがあるでしょ。これは、ダミーヘッドというマイクなのです。人間の頭のような形で、両耳の部分にマイクが仕込んであって、あたかも人が実際に聞いている感じで音が録れるというマイクなのです。なんか面白いですね、エンジニアの西岡さんが持ち込んで、「流水鉦」を覗き込んで聞いているような感じで音を録りました。

笙の豊さんがいつものように、電熱器で笙を乾燥させています。エンジニアの西岡さんもマイクセッティングで忙しいです。ミュージシャンが変わる度にマイクのセッティングを変えなければなりません。

小田急線、唐木田駅近くの「スタジオマーク」、昨年の夏に出来たばかりのスタジオです。設備機器も最新のものを装備し、きれいなとっても感じのいいスタジオです。http://studiomark.jp/main/welcome_to_STUDIO_MARK_sutajiomaku.html

後半のレコーディングは、7月の末から、このスタジオマークで始まります。ミックスの作業は9月に行い、そして最終的な作業としてマスタリングと云うことを行います。マスタリングとは、それぞれの曲の周波数や音の大きさを整え、曲間の長さを調整したりする作業で、CDを製作する上でとても重要なことです。いまではマスタリングエンジニアもCDにきちんとクレジットされています。これらの作業を9月中には終えたいと考えています。