- 2016年1月10日 19:33
12月18日投稿の「若き日の行状記」の続きです。1976年ごろの話しです。ちょっと長いですがとりあえずお読み下さい。
イギリスの「マナースタジオ」でレコーディングをして、その後とにかくバンコクに行ったのですが、ビザの更新のために、タクシー二台を借り切って、マレー半島をひたすら南下してマレーシアに行きそこからまたタイに戻る、ここまでが先回までの話しでしたね。
マレー半島を南下する、といってもよくテレビなんかで見る片側が崖になっているような山岳道路です。そこを夜中も走り抜くのでヒヤヒヤですが、途中で休憩 した村なんかは村民がライフル銃をもって警戒していました。山賊でもいるのかなと思っていたんですが、今から思えば僕らを警戒してたんですね(笑)。とに かくなんとか無事に国境に到着し、さて国境を越える手続きをするのですが、ここからちょっと会話調で。
係員:「あ、君たちこのパスポートでは国境を越えられないよ。」
僕たち:「え、そんなはずないでしょ、ちゃんとした日本国のパスポートですよ。」
係員:「君等のパスポートは、ランド、つまり陸路では国境を越えられない、となっているんだよ。だから空から出なさい。」
僕たち:「え、空からって?」
係員:「近くにマレーシア航空があるので飛行機に乗りなさい」
というわけで、近くのマレーシア航空に行きました。
手続きカウンターでの会話、ここからまた会話調で。
僕たち:「チケットをください」
カウンター係員:「ちょっと待ってください」、彼は奥に行き、しばらくして戻り、
カウンター係員:「チケットを売るわけにはいかないなぁ、」
僕たち:「え、またなにをいっているんだ」
カウンター係員:「長髪ではマレーシアに入国できないんだよ、おまえ等、髪を切れ!」
僕たち:「え、え、なんだって、髪を切れって、訳の判らないこと云うなよ、(怒、ですね)」
カウンター係員:「髪を切らなければ、絶対に入国できないぞ。」
訳の判らないことになって、僕たちは言葉どうりに受け取って、皆話し合って、
結局、「髪は切れないぞ」という結論になった訳ですね。当時、長髪は命、ってことですね。
笑い話のような、ドタバタ喜劇のような、本当の話しですよ、私め、26歳の夏のころ。
というムチャクチャな理不尽な、嘘のようなわけで仕方なく出国はあきらめて、そこからまたバンコクに、今度は一路北上するわけですが、
真夜中の山岳道路で、こりゃまたとんでもないことが起きましたよ。・・・
次回に・・・本当のはなしですよ。
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