後世の公共事業のありかたに大きな影響を与えた『攻防・蜂の巣城』

  • 2018年11月 6日 00:13

一年前にFacebookに投稿したもの。後世の公共事業のありかたに大きな影響を与えた『攻防・蜂の巣城』。
大分日田市と熊本の小国町にまたがる筑後川上流部の 下筌(しもうけ)ダム建設の際、建設省九州地方建設局に対して、住民が山麓に無数のバラック小屋を建て対抗し、1958年(昭和33年)から最終解決まで 13年を要した反対運動をこう呼んでいる。昨日、BS-TBSで17年前のドキュメンタリー番組を見た。昭和33年から13年というと私は9才から22才頃までで、こうした社会運動に傾倒している人だったら周知の出来事だろうけれど、当時もまったく知らなかったし、学生時代もノンポリだったので、このドキュメンタリーを見るまで不覚にも私は知らなかった。

反対住民のリーダーは、この地の山林大地主の室原知幸氏で彼は「公共事業は法にかない、理にかない、情にかなうものでなければならない」と云い、建設省九州地方建設局と正面からぶつかった。サイトの言葉を借りれば、まさに基本的人権(私権)と公共事業(公権)との正面からのぶつかり合いだった。結局、裁判でも負け、小屋は取り壊されダムが出来る訳だけれど、こういった室原氏の姿勢に建設省の九州地方建設局長も敬意をはらい、彼の葬儀には涙して弔辞を呼 んだそうだ。

この反対運動は後世の公共事業のありかたに大きな影響を与えているということだが、現状を考えると、人間どうしのお互いの立場への深い理解があり、法にか ない、理にかない、情にかなっているかと云えば、とてもそうは思えない。安倍首相をはじめ昨今の政治家の度量の狭さ、そのうえ心に深みを感じられないことが、政策もさることながら、国民をイライラさせているような気がするよ。

山麓に建てられた無数のバラック、壮観だね。

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