「Farming soul」が空を飛ぶ

映像作家・ヒグマ春夫氏、古い農具を「農の魂」と捉え心を寄せ撮影した写真にコンピューターを介在させ映像化した、それを「Farming soul」と呼ぶ。異界に導くように「Farming soul」が空を飛ぶ。

「雲は止まらず」 音楽・深草アキ／「Farming Soul」 映像・ヒグマ春夫／2021,8,25

深草アキ

ペルセウス座流星群は東京は雲の中だったですね。窓の外がそのまま雲の空なので最近よく雲を見る。当たり前だけど雲はひと時も同じ形をしていない、絶えず変容している。それは人の心も同じでボーッと何も考えていないかのように思っても心は絶えず揺れ動く。その心から発する音も同じで一音たりとも同じ音はないし、同じ音を出すことも出来ない。そんなことを考えて演奏しているわけではないけれど、雲が自然の現れのように音楽も又自然の現れの一部なのでしょう。 久しぶりに、第三十四回 In my room「雲は止まらず 其の１」です。

ヒグマ春夫

農地から姿を消していった古い農具たちと出会ったのが2017年の春でした。農民や職人によって改良に改良を重ねて作られた農具は、木や藁などの自然素材でつくられ造形的にも美的にも素晴らしいところがあります。いつの日からか撮影した写真にコンピュータを介在させ農具それ自体を「農の魂」として捉えるようになりました。映像化した「Farming soul」はその表れです。