私自身の不思議な体験を思い出した

  • 2022年8月22日 13:37

数日前にNHK・BS再放送「異界百名山」を見た。山にまつわる不思議な体験を体験者の皆さんが淡々と語る。普通の人の話しなのでよけいに信憑世性があり面白かった。それで改めて私自身の不思議な体験を思い出した。音楽をしているといろいろ不思議なことも多い。

とりあえず、1990年2月の神奈川県民ホールでのコンサートの話し。ちょっと長い文です。

チラシのように「古典音楽の夕べ」と題しているが、「第15回 高野山真言宗 神奈川支所檀信徒大会」での演奏で、筑前琵琶の上原まりさんとの共演だった。私の出番の演出がまたすごくて、ステージ真ん中の高台に私が胡座で座っていてその回りを何十人かの真言宗のお坊さんが囲んで読経をし、それにあわせて私が即興で秦琴を演奏した。読経が終わりお坊さん達が退場、そしてメンバーが登場してあらためて秦琴コンサートが始まった。

そんなコンサートだったが、私は自分の機材のセッティングがあるのでメンバーより数時間前に楽屋に入っていた。楽屋には空調の音が聞こえていて、ふと耳を澄ますとその空調の奥から幽かに大勢の人の泣く声が聞こえて来た、たしかに泣いている声だったのだ。何故か私はそれほど気にも留めずにバタバタとセッティング、そのうちにメンバーも来てコンサートが始まった。

コンサートの終わりは大体いつも私が最後に楽屋を出ることが多い。メンバーが帰っても自分の機材のバラシや片付けに時間がかかる。その一人になった楽屋の空調の奥からこんどは幽かな笑い声が聞こえて来た、泣き声が笑い声に変っていた、幻聴といえばそれまでだけれど私は嬉しかった、泣き声が笑い声に変ったのが嬉しかったのだ。

お客さんはほとんど年配の真言宗の檀信徒さんたちで、儀式の中での千数百人の一斉の読経は、二階から見ていると地に沈んで行くような感じがしたことを覚えている。

その当時はいろいろ不思議なことも多く私自身もこの世の何処にいるのか判らないような状況だったので不思議なことはそのまま受け止めていた。

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