写真をもう一枚、フリージャズベーシストの吉沢元治氏とツーショット

忘れていた昔の写真からもう一枚。フリージャズベーシストの吉沢元治（よしざわもとはる）氏とツーショット。

吉沢さんは僕等の世代ではインプロミュージシャンとしてずいぶん名が通っていた。1931年生まれで1998年に亡くなっているのでこの写真は1998年以前ということになるんだけど何時だったかははっきりと覚えていない。場所は大月の長応寺の座敷で、写真の雰囲気からすると何回目かの「送り火コンサート」のときかも知れない。

多分これから少しして駒場東大前の「こまばアゴラ劇場」という小劇場で二人で即興ライブをしている。今でも覚えているのは、吉沢さんとは初めての即興ライブだったので、音チェックのときに、どんな感じでやりましょうか、なんて話しかけたら、吉沢さんは、もう出来てるよ、なんてポツリと云ってました。要するにもうコミュニケーションが出来て、すでに二人は即興しているよ、、今思えば吉沢さんの言葉はそんな感じだったのかな、吉沢さんの音楽の本質に触れた気がした。

本番は吉沢さんのベースの音からはじまったけれど、音の出る前から即興は始まっている、大仰に言うならば出会ったその時からすでに即興は始まっているということです。

ところで写真では吉沢さんが面白い楽器を持ってるでしょ。これは僕が作った楽器で太い竹筒にフレットを付け、二本の絹絃を張り、バーカスベリーのピックアップマイクを付けたのでアンプを通しても音が出るようになっている。名前はありません。