- 2024年6月24日 09:33
先の投稿で、紙袋のなかに茶室が入っていると書いたんだけど、これは「起こし絵図(おこしえず)」というものなんですね。桃山時代あたりから始まって江戸時代に流行ったらしい。そのほとんどが茶室なんです。
設計図をもとにして建物を作ったり、その建物のイメージがわくように模型が作られたりするのと決定的に異なるのは、すでに建てられた茶室を元にして「起こし絵図」は作られています。細かい寸法なども書き込まれていて、主に大工によって作られたらしい。
「起こし絵図」は何のために作られたのかはまだ定説がないらしいですが、著名な茶室が多いので、地方の茶人が茶室を造るときに、「起こし絵図」を使い、その著名な茶室と同じものを大工がつくるのですね。カメラもパソコンも無い江戸所代にはそんな使い方をされたのかも知れないです。
和紙で作られたその「起こし絵図」を私の知人が数十個も所有していて、8月の末にその展示会を新橋駅近くの「閑々居(カンカンキョ)」という画廊で開催します。私の知り合いのオーナー画廊ですが、展示会の最終日8月31日に僕のライブもあります。
その案内は近くなりましたらまた改めてお知らせしますが、なんと定員10名なんです。小さな和室もあってちょっとしたお食事もあるそうです。
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