- 2025年10月16日 20:21
この曲に出会うためにパリに来たと、あの時はほんとにそう思ったんだよね。
1998年6月にパリの日本大使館でコンサートをした。バイオリンの中西さんとギターの有田さんのチームと私と尺八の菊池さんのチームの二組のコンサートだった。クラシックな感じの大きな部屋に仮説のステージが作られフランスの人達で満員だった。
とにかくコンサートは無事に終わりパリの街の小さなホテルに帰り部屋でくつろいでいたときに、ふと部屋の添え付けのテレビをつけたら、音楽が流れて来た。どんな映像だったのかは忘れてしまったけれど、その曲が衝撃的で、突然「僕はこの曲に出会うためにパリに来たんだー」と本気で思ってしまった。
どうやって曲のタイトルやCDのタイトルを知ったのかまったく覚えてないけど、翌日にパリの街でレコードショップを探しCDを購入した。 CDのタイトルは「AMADOU ET MARIAM(アマドゥとマリアム)」。マリ出身の盲目の夫婦で、夫のアマドゥがギターと歌を、妻のマリアムが歌を歌っている。ホテルで聞いた曲は「Je pense à toi」と云うタイトルだった。フランスでよく探し当てたものだ、不思議だなー。
1998年に発売されたこのCDが夫婦の最初のCDらしい。当時はよく聞いていたけど、ここのところまた聞き出した。気になってちょっと調べてみたら、今年の4月に夫のアマドゥが亡くなっていた。
夫婦はずいぶんと成功したようで、2008年にリリースされた『Welcome To Mali』は、2010年にグラミー賞最優秀コンテンポラリー・ワールドミュージック・アルバムにノミネートされていた。
それにしても久しぶりに聞き出したら、その人が今年亡くなっていた、これも虫の知らせ、か・・。
ビデオは日本大使館でのコンサートのリハーサルの写真やチラシも入れて、その後から「アマドゥとマリアム」の曲がかかるように編集したが、曲の映像は2005年に制作されたものなので、僕がパリで見たものとは当然違います、覚えてないけど。
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