都会の野辺送り

都会の野辺送りはマイクロバスで行く
ゆらゆら 揺られながら 揺れる度に 悲しみが零れ落ち
零れ落ちた悲しみは 誰に拾われることもなく
アスファルトの隙間から 静かに地面にしみ込んでゆく


聞き耳をたてれば 都会のアスファルトの下には
拾われることのなかった 悲しみが
地下水脈のように
ひそひそと 流れているのだ


今日もまた 眩しく輝く太陽の下で
今日もまた ゆっくりと行列は進み
今日もまた 悲しみは何処かに消えてゆく