- 2012年8月24日 19:59
以前のブログにも書いた、ちょっと古い「秦琴」の一回目の修理が出来ました。なかなか趣きがあります。胴体は朴の木で出来ていますが、棹は塗料が塗ってあるので何の木で出来ているのかは不明です。どのみち枯れきっていてとても軽いです。
棹頭(蓋板とも云います)には古いシンプルな玉(ぎょく)を飾りました。軫(糸巻き)は古い琵琶のものです。玉(ぎょく)も軫(糸巻き)も頂いた物です。糸蔵(糸が巻き付いているところ)は機械で仕上げてあるのようなのでそれほど古いものではないですが、すくなくとも戦後のものではないでしょう。僕が現在演奏している「秦琴」は戦後の楽器なのでそれよりも古いでしょう。
柱(じゅう・フレット)は半音づつ付いているのではなく、オクターブに七個付いて、西洋音階のドレミ・・ではなく、独特の音程感の響きになっています。秦琴は現在の中国では広東省の潮州音楽に用いられている楽器となっていますが、その演奏形態の歴史はそれはど古いものではありません。その潮州音楽の音程は七平均律という説もありますが、学説の別れるところです。この「秦琴」の七個の柱(じゅう・フレット)が七平均律の計算の基に付けられているかと云うと、おそらくそうではないでしょう。
このように、今僕が弾いている「秦琴」とは全く異なっている楽器なので、取り組んでみようかなと云う気持にもなっているわけです。何かこれまでとは別な表現方法があるような気がしてます。でもなかなか難しく今のところ人前ではまだまだ演奏出来ません。
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