今日はまたやっぱり自分の無力さ加減がいやになる日だ

  • 2018年3月11日 18:41

いま黙祷がおわった。7年経った。そんなに時が経ったと思えない。その瞬間に何をしていたかは皆さんもすぐに思い出すことが出来るだろう。僕はあるデザイナーと打ち合わせのために井の頭線吉祥寺駅にいた。ガタガタと揺れ、揺れが止まると、ノウテンキなもので、さて電車に乗って打ち合わせにゆこうか、なんて思ったんだけど、回りがたいへんなことになっていた。直前に別れた奥さんを探して、なんとか家に戻った。さいわい部屋はほとんど揺れてなく何も変わってなかった。7難前、そんなふうに始まった。

今日はまたやっぱり自分の無力さ加減がいやになる日だ。ま、仕方ないか、と云って逃げてばかりだ。ちょうどこの日の一ヶ月程前に、当時村上信夫さんがアナウンサーをしていたNHKラジオの「ラジオビタミン」にゲスト出演していた。震災の後一ヶ月程NHKラジオは震災のニュースばかりになったのだけれど、通常放送にもどるときの最初の番組として僕が出演した回の「ラジオビタミン」を再放送すると連絡があった。連絡の電話があった時は吉祥寺駅のプラットホームにいたんだけれど、被災地とつながったような気がして胸が痛くなる程うれしかった。アナウンサーの村上信夫さんやパーソナリティーの神崎ゆう子さんとのトークとともに、CD「観世音」から一曲と「星の大地」「蔵エンディングテーマ」の三曲をかけてもらったり、番組内で秦琴を生演奏したりと、被災地に音が届いた唯一の出来事だった。

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