- 2019年12月 6日 18:55
西日本新聞の記事に寄せて、『星の大地』を中村さんの死に捧げたい。
中村さんの亡き骸は骨となってもうすぐ家族と共に日本に帰ってくるだろう。その時私たちは、70数年前幾百万の命と血であがなった平和への渇望とその気概をもう一度思い起こすことが出来るかもしれない。
「憲法を実行せよ」(中村哲)
中村哲さんの亡き骸が家族と共に日本に帰って来た。中村さんの死を取り上げるマスコミも多いけれど殺害された状況とか部族同士の争いなどの理由原因の話しが多い。ただ中村さんの死を悼むのであれば、中村さんの平和に対する考えや思い、様々な言葉、日本の現状をどう考えていたのか、そんな中村さん思いを伝えることがマスコミの義務であろうし日本人としての私たちの哀悼なのだろう。
インタビューのなかに、・・私は古い日本人で、義を見てせざるは勇無きなり・・・、そんなことが載っていたけれど中村さんが云うように平和には戦争より忍耐と努力がいる、そして勇気がいる。あたりまえのことだけれど平和あっての人々の日々の生活なのだ、平和ゆえに、平和への渇望が薄れ、平和の尊さを忘れ、あまつさえもその平和を捨て去ろうとしている。かつて私たちは平和を忘れ、疎み、踏みにじった。しかし血だらけの凍った地平からでも必ずいつも緑豊かな平和な大地が現れてくる。それはこの現実が理想の地平の上にできているからだ、確かに現実は理想を覆い隠してしまう、しかし理想を見失えば現実もまた霧の中を行くようなものだ、いくら舟の舵をいじっても霧の中を進めば暗礁に乗り上げるのは目に見えている。
西日本新聞の記事
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/565497.amp
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/565435.amp
https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/565438/
https://www.nishinippon.co.jp/sp/theme/tetu_nakamura/
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