- 2020年5月19日 16:34
「自宅待機徒然日誌」5月19日 火曜日 小雨から曇りに変る。
この秦琴はかなり古い、いつも弾いている秦琴より古いかもしれない。というのは柱(フレット)が1オクターブに7個しか付いていない。いつも弾いている秦琴は、ピアノの白鍵黒鍵を合わせて12個あるように、1オクターブに12個付いている。
1オクターブに7つというと、ピアノのように、ドレミファソラシド、と、ミとファ、シとド、の間が半音になって7つだけれど、この秦琴には半音の箇所が無く、7つの柱の間が均等に狭くなっているように見える。12平均律ではなく、タイの音楽が7平均律の上に成り立っていて独特の響きがあるように、これもまた7平均律といってもいいのかもしれない。
三分損益という方法で12個の音律割り出しから始まっている古の中国の音律がいつごろから7平均律のような音律になったかははっきりしないけれど、少なくとも、名古屋徳川美術館に収蔵されている江戸時代の琉球式楽楽器一式のうち「四線(すうせん)」もまた同じような柱の付き方をしている。
平成17年に(財)海洋博覧会記念公園管理財団の徳川美術館所蔵「琉球式楽楽器」の復元に参加したときにそれらの楽器の実測調査をし、音階の調査もした。僕の担当は主に弦楽器だったので、写真のように「四線(すうせん)」の柱の付き方の実測もしてその意味も解明した。
復元された「琉球式楽楽器」一式は首里城に展示されていたけれど、残念だがおそらく首里城火災で焼失してしまったでしょう。
いつか、In my roomでこの秦琴を弾いてみよう。