第三十二回 IN my room『春蘭調』

  • 2021年6月 7日 19:24

題名の『春蘭調』は秦琴の調弦の一つで、と言っても私が工夫した調弦なので古から伝わっているものとは違います。もっとも古から伝わっている秦琴の調弦といっても現在使われている調弦の殆どが、例えば、ド(1)・ファ(4)・ド(1')、とかド(1)・ソ(5)・ド(1')のような感じのものです。

古代中国の音楽は西洋の和声といった感覚が無く、黄鐘均羽調式とか夾鐘均商調式とか云われる音階だけで成り立っていました。この春蘭調という調弦はDmの所謂オープンチューニングですが、中国流にいえば羽調式とか角調式の音階が弾き易く、黄鐘をA(ラ)とすればこのビデオは大呂均角調式で弾いていることになります。基本的にはスケール(音階)が基本で弾いていますが後半に少しコード(和音)も使っています。まあ簡単に言えばDmのスケールでアドリブらしきことをやっているということです。フレーズというかパッセージというかその出だしはシンコペ掛かった感じが多く打楽器がないので頭の休符を聞き逃すとフレーズが違って聞こえドライブ感も削がれます、僕自身もボーッと聞いていると本来の演奏とは違って聞こえてしまいます。

こういう音はただ弾いているだけということになっちゃいますが、いまでも秦琴演奏と自分の音楽表現の可能性を不器用ながら、最近ではリウマチのリハビリがてらシコシコと取り組んでいます。結局、自分の出来ることを、やれるようにしか、出来ない、自分が出来ることを出来るようにやるしかないのですから。

In my Room ライブ、第三十二回 2021年6月2日『春蘭調』

 

 

 

Search
Feeds

Return to page top