- 2021年11月 3日 17:43
『雨露の花の坂道(あめつゆの 花の さかみち)』2003年コタンライブ、DAT音源
秦琴:深草アキ
打楽器:甲斐いつろう
古いテープを聞き直していると思いがけなく忘れていた曲と出会う。郷愁のようなものを感じるのは故郷への思いか昔への懐かしみかそれとも幻想への誘いか。「朝花夕拾」の如く過去の幻想と現実を行ったり来たりしているが20年や30年前のことはそれ程昔とは思えないので「朝花昼拾」というところかな。
それでも幼い頃の記憶を辿れば、「田植え祭り」の人々が提灯や長い笹を持って夜の町を走り回るのを怖がって家に逃げ帰ったり、祭りの小さな山車の中で太鼓叩いていたことを思い出す。家の前の細い道を山車と稚児行列が練り歩き、テンポの早いにぎやかな曲で山車を引っ張り、静かな曲になると稚児たちが踊りだす、日本人は静かな曲で踊るんだね、いや「舞う」のかな。
自分の音楽の原点のようなその祭り囃子も廃れてしまったけれど、緩やかな坂道になっていたその道はいまも坂道のままで静かな昼下がりに人影はなかった。
雨露の花の坂道』DAT音源 、2003年コタンライブ with 甲斐いつろう
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