もの言わず 何思う
たとへ 空が 澄んでも
もの言わず 何思う
たとへ 花が 咲いても
愛した人の 面影抱いて
静かな海に 眠るひと
もの言わず 何思う
物語の最期を 見届けた人達
たとへ 月が 満ちても
たとへ 笑いが あふれても
父母の 面影抱いて
凍てつく大地に 眠るひと
もうすっかり陽は落ちて
夕闇を人は行き
また静かに物語の幕があく
私は彼等に尋ねたい
この物語の最期を
教えてほしい
この物語の最期を
たとへ 季節が めぐっても
たとへ 河が 流れても
たとへ 月が 満ちても
たとへ 物が あふれても
もの言わず 何思う
南の海に眠る人
静かな森に 眠る人
凍てつく大地に眠る人
もの言わず 何思う
物語の最期を 見届けた人達
物語の最期を 見届けた人達