岐阜県多治見市にて

  • 2014年4月17日 14:59

4月の愛知の教室の翌日に岐阜の多治見に行ってきました。多治見は愛知に移る前に教室が有った所です。実は先回のブログに登場した斉藤氏は多治見の出身で、多治見市の市政アドバイザーをしています。その斉藤さんの誘いで、斉藤さん、その知人の松本さん、「秦琴教坊」の幹事長の野崎さん、それに私と、四人で一日多治見を歩きました。市役所の人の案内でしたので普段は見ることが出来ないころまで見られ、教室に通っていた時には判らなかった多治見市の素晴らしさに気付き、なかなか有意義な一日でした。

9時に多治見の駅で待ち合わせ、まず「神言会多治見修道院」に行きました。この「神言会多治見修道院」は、「札幌修道院」「長崎修道院」とならぶ、日本三大修道院の一つです。多治見にこんな修道院があるのはビックリでした。

神言会多治見修道院

taji-1.jpg

いい写真が撮れなかったので、「神言会多治見修道院」のホームページから拝借しました。立派ですねぇ。

taji-2.jpg

空から見るとこんな風。ぶどう畑があり、ワインも作られています。この修道院は、1930年(昭和5年)に神言会のドイツ人の宣教師モール神父によって、修道生活と修道士育成のために建てられたものですが、現在では名古屋の南山大学の神学生の修練の場所となっているようです。

taji-3.jpg

次に、永保寺(えいほうじ)に向かいました。鎌倉時代(1313年)に開創された、小高い虎渓山に佇む禅寺で、正式名称は臨済宗南禅寺派 虎渓山永保寺といいます。2003年の火災で本堂と庫裏が全焼しましたが、再建を願う市民を中心とした募金活動によって2007年に庫裏が、2011年6月に本堂が以前と同じ姿で再建されました。火災を免れた「観音堂」と「開山堂」は鎌倉末期に建てられたもので国宝に指定されています。また池泉回遊式庭園も国の名勝に指定されています。

taji-4.jpg

その国宝の一つ、「観音堂」です。入母屋造檜皮葺きの屋根のそりが見事です。このお堂は「水月場」とも称し、本尊の聖観世音菩薩坐像が安置されています。普段はお堂には入れませんが、今回は市役所から話しが通っていて、お寺の雲水さんの案内でお堂の中に入ることが出来ました。

taji-5.jpg

もう一つの国宝「開山堂」。この「開山堂」は二つのお堂が繋がっていて、奥の祠堂には永保寺開創の夢窓国師の墓塔である石造宝篋印塔が安置され、それも特別に見ることが出来ました。その墓塔を守るためにこのお堂が建てられたそうです。

taji-7.jpg

taji-kai.jpg

土塀がいい雰囲気でした。

taji-kabe.jpg

修行中の雲水さんが座禅をするところです。布団の厚さが違うでしょ。これは薄いのが年季の入った指導をする雲水さんのもので、厚い布団が新入りの雲水さん。布団も年季が入ってますね。なるほどなるほど・・。

taji-9.jpg

多治見は、もちろん皆さんご存知と思いますが、美濃焼の里ですね。市内には多くの窯があります。その一つの「水月窯」を訪れました。水月窯は、国重要無形文化財(人間国宝)・荒川豊蔵氏(あらかわとよぞう・1894〜1985)が、昭和21年に多治見市虎渓山町に開いた窯です。現在でも土作りから絵付け、焼成までの全行程を手作りで行われ、美濃の伝統的窯業生産技術を伝える唯一の窯として、多治見市無形文化財に指定されています。

taji-10.jpg

登り窯です。

taji-11.jpg

穴窯です。登り窯とは冷える時間が違い独特の味わいになるそうです。

taji-12.jpg

入り口の立て看板にはこのようなことが書かれていました。「・・個人の芸術性を強く押し出すのではなく、あくまでも日常生活の中で使われる陶器を手頃な価格で提供するという考え方で現在まで運営が行われています・・・」

松本さんの前にならぶ茶碗の数々。

taji-13.jpg

次に行ったのは「幸兵衛窯」です。青空に枝垂れ桜がいい感じでした。

taji-14.jpg

六代目の加藤卓男氏はペルシャのラスター彩の復元でも有名な方です。現在はその息子さんの七代目加藤幸兵衛氏が中心で運営されています。

taji-15.jpg

2偕には、ラスター彩の故郷であるイランでの「ラスター彩イラン里帰り展」での、加藤卓男氏と七代目加藤幸兵衛氏の作品が展示されていました。ラスター彩は光が当たらなければ茶色の感じですが、光が当たると玉虫色に輝きます。それはみごとに美しいものでした。余談ですが、七代目加藤幸兵衛氏は琵琶のコレクターで倉庫には山のように世界の琵琶に通ずる絃楽器が収蔵されていました。

taji-16.jpg

最後に、手びねり体験をしました。手びねりとは、ろくろを使わずに手でいじりながら作品を仕上げて行く方法ですね。手でいじりながら、ってのはへんな云いかただけど・・・。

taji-17.jpg

ということで、なんとかかんとか作りました。向こうの二つは斉藤さんのものです。なかなかうまくできてますね。手前二つが私のもの。最初は湯呑み茶碗を作ろうと始めましたが、だんだん大きくなって、結局お茶用の茶碗になってしまいましたね。もう一つは秦琴を作り始め、結局時間切れになってしまいましたが、釉薬をかけ、焼いてもらって、二ヶ月後に届くのがちょっと楽しみです。

taji-18.jpg

こんな感じで、夜には市役所の皆さんと会食をして、とても楽しい一日を過ごすことが出来ました。皆さん、機会あれば是非多治見に行ってみて下さい。焼き物巡りもなかなか面白いですよ!

市役所広報課の、柚木崎さん宮本さん、ありがとうございました!

 

 

Search
Feeds

Return to page top