奄美の唄者 里国隆のこと

  • 2015年10月25日 12:59

Facebookに投稿された記事で、奄美竪琴弾き語りの盛島貴男さんのライブが下北沢で行われたことを知った。盛島貴男さんは1950年生まれの65才。50 才過ぎて突然、竪琴の弾き語りを始めたそうだが、その彼が師と仰ぐのは盲目の唄者、里国隆(さとくにたか)だ。里国隆は奄美大島に生まれ、幼少期に失明 し、奄美、沖縄を放浪しながら道端で「樟脳」を売り、奄美の竪琴や三線を弾き歌っていたそうだ。当時ルポライターだった竹中労氏に見出されレコードも出ている。

大正8年(1919年 )生まれと云うから、私の父より三才年上だ。2000年にCD化された『黒声(クルグイ)』を思い出し、久しぶりにCD棚から出してみた。「黒だんどう 節」を聞いた小沢昭一氏に云わせれば「はいつくばって土下座したい歌だ」そうだ。僕らがよく口にする、表現するとか、芸を研くとか、楽器を歌わせるとか、 うまいとかへただとか・・、そんなものはなんのへったくれもない、放浪の路傍の唄だ。昭和60年(1985年)沖縄ジャンジャンに出演した時に体調を崩 し、その年に66歳で亡くなっている。

1985年というと、この翌年の1986年に私は最初のCD『秦琴』を出している。そして今年、私は彼の享年と同じ 66歳になった。こういう人の唄を聞いていると、私は根無し草の、都会育ちのミュージシャンということを思い知らされるよ。

次回は、その貴重な映像を載せたいとおもう。

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