- 2015年10月16日 01:01
先のブログでお知らせした『東洋音楽研究』80号に掲載された小論、<宋・太宗「五絃阮(ごげんげん)」の調弦の解明>、の全文を公開しました。興味ある方は少ないとは思いますが、一応こちらの論文集からPDFを開いてお読み下さい。
論文集 http://akifukakusa.com/note/ronbun.html
それで、古の中国音楽の基本的な確認事を書かないとまったく判らなくなってしまうので・・。
中国の音楽には、「均」と「調式(音階)」という概念があり、現在一オクターブが12音で成っているように、古の中国も12音に分かれ、それぞれ名前がついています。読みは長くなるので省略します。
「黄鐘、大呂、太蔟、夾鐘、姑洗、仲呂 、蕤賓、林鐘、夷則、南呂、無射、応鐘」、というわけです。そして「調式(音階)」は「宮、商、角、変徴、徴、羽、変宮」の七種類あり、「教会旋法」が「ドリアン」とか「エオリアン」とか云うように「宮調式」とか「羽調式」などといいます。ですから例えば、黄鐘からの一オクターブの中で「羽」を基音とする「調式(音階)」ならば、「黄鐘均羽調式」という言い方をします。太蔟からのオクターブで商を基音とするならば「太蔟均商調式」となるわけです。ここで気をつけなければならないのは、現在の音階のもとが、全全半全全全半、となっているのと違い、中国では「宮、商、角、変徴、徴、羽、変宮」の間隔が、全全全半全全半、となっていることです。もう、ここまでくるとなにがなんだか判らなくなってしまうと思いますが、これを踏まえて、<宋・太宗「五絃阮(ごげんげん)」の調弦の解明>に挑戦してみて下さい。
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