先日の一日、『月映(つくはえ)』に行ってきました

  • 2015年11月 2日 19:28

先日、上野の東京芸術大学で『東洋音楽学会』研究発表の大会があり、先の論文でお世話になったトゥバ音楽演奏家の等々力氏が大阪から来ていたので、会いに行ってきました。トゥバ共和国の音楽事情を発表する教室で興味深く拝聴させてもらいました。等々力氏は自身の弾くトゥバの楽器を紹介しながらちょっと演奏もありました。トゥバ共和国の音楽を研究している人がけっこういるんですよね。

そして、その帰りに東京ステーションギャラリーの展覧会『月映(つくはえ)』に行ってきました。『月映(つくはえ)』は、大正時代初期の若き版画家、田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎が発行していた版画集の名前で、会場には三人の魂が満ちあふれていました。時代がそうなのかも知れませんが、「生」と「魂」の深部から作品が生まれ、それが自然に彼らの美術的センスとして表れていました。順を追って見ながら目頭があつくなりました。田中恭吉は23歳で亡くなっていますが、美術にしろ音楽にしろ、若き日の純粋な魂のエ ネルギーは年を重ねるとどう変容するのだろう。翻って、自分の音楽を見直すいい機会になりました。

魂はあんまりむき出しにするとずいぶん傷ついてしまいます。それで人は歳を重ねるにつれ、箱にしまい、金庫にしまい、いつの間にかカギをなくしたり、金庫が錆び付いてしまったりします。最期は神様がその金庫を開けてくれるのですが、どちらにしても神や天への質問を絶やしてはいけない。

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