- 2017年6月 2日 16:31
CD『満月の滑空』から「絃鼗三日月(げんとうみかづき)」
作曲:深草アキ 編曲・プログラミング:渡辺雅二
「絃鼗(げんとう)」とは、紀元前三世紀の中国・秦代に現れた伝説の楽器。「万里の長城」の労役に苦しんだ人々が慰めに弾いていたと云われ、中国・日本に於いてのリュート系の絃楽器の始祖とされることもあるが伝説の域を出てないのです。あくまでも伝説的な楽器です。「絃鼗」の「鼗」とは「鼗鼓(とうこ)」のことで、所謂「でんでん太鼓」のような楽器です。「でんでん太鼓」と云っても古の中国では立派な雅楽の楽器の一つであったけれど、そんな「鼗鼓(とうこ)」を逆さまにして弦を張ったような素朴な楽器が「絃鼗(げんとう)」と云われています。楽器の形状から想像すると、紀元前三世紀当時、シルクロードの交易を担っていた「月氏(げっし)」と云われた人々によってもたらされた楽器かも知れないですが、未だに謎多い伝説的な楽器なのです。
秦琴:深草アキ
キーボード&プログラミング:渡辺雅二
バンドネオン:早川純
ウッドベース:佐藤慎一
ジャンベ、ジュンジュン:甲斐いつろう
ドゥンベック:和田啓
マニピュレーター:栗山善親
あ、そうそう、「絃鼗(げんとう)」についての詳しいことは『東洋音楽研究』という学術誌に投稿した私の論文を見て下さい、お暇なら。けっこう難しい・・・。
http://akifukakusa.com/note/note-toyoongakugakukai.pdf ← クリックして下さい。
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