CD『満月の滑空』のジャケットデザインと画家のこと

「CD『満月の滑空』のジャケットデザインと画家のこと」

このジャケットデザインは私も気に入っています。ただ、ちょっと絵画に興味のある人なら、これはカンディンスキー（Wassily Kandinsky 1866〜1944）もどきだな、と思われるかも知れませんが、種を明かせば、CDを制作するに当って私がジャケットデザイナーに示唆した画家はカンディンスキーではなく難波田史男だったのです。1941年生まれで32歳のとき瀬戸内海のフェリーから転落溺死した、ある意味天才的な画家で、私の好きな画家の一人なのです。要するに難波田史男の絵を直線的にデザインしたジャケットなのです。私は絵心がまったくないのでそのぶん絵画がとっても好きですが、どちらかというと日本画のほうが好きかな。難波田史男のような画家は、もし歳をとったらどんな作風になって行ったんだろうね。

難波田史男：「終着駅は宇宙ステーション」1963年