『雪の春蘭調』2007年9月、コタンライブ、DAT音源

  • 2021年11月22日 21:50

『雪の春蘭調』2007年9月、コタンライブ、DAT音源
秦琴:深草アキ
打楽器:甲斐いつろう

僕が弾いている秦琴の弦高はけっこう高い。弦高というのは弦とフレットとの間隔のことで、低いとか高いとか云いますが、ギターなんかに比べると秦琴はかなり弦高が高く、ある意味弾きにくい。

弦と弦との間隔はだいたいギターと同じような感じですが、大きく異なるところは、ギターはピックを振りかざして弾くことはないのですが、人差し指の爪で弾いている僕は三味線や琵琶のバチのように手首を振りかざして弾くことも多いので、その場合は弾こうとしている弦と弦の間に正確に爪を入れなくてはなりません、三の糸を弾く為には三の糸と二の糸の間に爪を入れ、二の糸を弾く為には二の糸と一の糸の間に爪を入れなくてはなりません、とくに三本の糸を早いアルペジオ風に手首を振りかざして演奏する場合は、ビデオを見てもよく判らないほど無意識に素早くそんなふうに演奏しています。

それともう一つの技は、例えば太鼓にしてみると大きく強い音を出す時はバチを大きく振りかざし、小さな音の時は小さく振りかざして叩きますが、そうではなく、大きく振りかざして太鼓面を打っても何故か小さな音が出ている、そんなことをするのです。

秦琴の音を強く出す時は手首を振りかざして糸に爪をあてるのですが、ところが同じように手首を大きく振りかざして爪を糸にあてていても小さな音しか出ていない、音のエネルギーのようなものは同じですが音が小さく弱くなったり、大きく強くなったりする、これがなかなか難しい。

これらは秦琴を爪で弾きながら無意識に身につけ無意識にしていた奏法なので、ある時人から云われてはじめて気がつきました。とにかくライブではそんなこともしているのです。

『雪の春蘭調』2007年9月、コタンライブ with 甲斐いつろう

 

 

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