Keystoneムービーカメラ「Criterion A-12」とOlympic K-32」

  • 2022年12月14日 15:34

1919年にアメリカのボストンで設立されたカメラ会社の「Keystone Camera Company」が1949年に発売した16mmムービーカメラ「Criterion A-12」と翌年に発売されたダブル8mm「Olympic K-32」。

1949年といえば私が生まれた年で、すでに73年以上経っているのに少し手入れしただけでカメラの美しい姿がほとんどそのまま残されていて、窓際に鎮座ましましていますよ。フィルムを装填するところも錆びもなくきれいだ。アメリカ人か誰だか判らないけど、楽器のように高価なものではないのに、大切に保管していた人がいたんですね。

このカメラが製造発売された頃のアメリカは、いわゆる「赤狩り」と云われた、共和党右派のジョセフ・マッカーシー上院議員が中心となったマッカーシズムが吹き荒れ、多くの共産主義者が公職から追放されている。この頃、後のフォークシーンに多くの影響を与えたピート・シーガーがザ・ウィーバーズ(The Weavers)を結成した。

彼は1942年に共産党に入党し、1950年頃までメンバーとして活動していたらしい。そして1950年には「朝鮮戦争」が勃発した。マッカーシズムが吹き荒れる中、政府と衝突したピート・シーガーは1955年に下院非米活動委員会で喚問を受け、翌年1956年に “Where Have All The Flowers Gone(花はどこへ行った) “を発表した。(wiki)

彼の曲「Where Have All The Flowers Gone」も、黒人牧師が作曲し彼が歌って広めた「We Shall Overcome」も僕等の世代にはなじみ深い。高校の頃フォークス好きが皆歌っていたけど、僕はテケテケテケのエレキ派だったね。

このビデオのBGMに使っているウィーバーズの「おやすみアイリーン (Goodnight, Irene)」は1950年に13週間チャートの首位になっている。こんな世相となんとなく不似合いだけど、アメリカのまさにその時代に発売されたムービーカメラです。人間社会は重層的です。

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