- 2023年2月 6日 13:19
前回からの続き。
先回は戦後間もないベルリンのビデオだったけれど、今回の最初の写真は1952年の渋谷スクランブル交差点の俯瞰写真。1952年といえば黒澤明監督、志村喬主演の「生きる」が公開されている。その1952年に、西ドイツのZeiss・ikon(ツァイス・イコン)から発売された8mmカメラ『MOVIKON 8』。マグカップとの写真からその大きさが判るように手のひらに乗る程小振りで、当時にしては斬新で独特なデザインが面白い。
普通どんな8mmカメラも撮影する時には通常、フィルムがレンズの上から下に通過する。映写機も現像されたフィルムがレンズの上から下に通過しながら映像が映し出される。左右ではなくあくまでも上下にフィルムが動く。
しかしこの『MOVIKON 8』を一見すると、フィルムが左右に動くのではないかと思ってしまう。しかし実はそうではなくフィルムをねじって入れ、真ん中のレンズをフィルムが上から下に通過してゆくようになっている。あくまでも上から下なんです。
どうしてこのような形になったのかは定かではないけれど、普通のカメラのように両手で持って撮影するスタイルを取り入れたのかも知れない。
とにかく、私が三歳の70年前にしてはずいぶん斬新なデザインであることは確かだ。底面に、Zeiss Ikon AG Stuttgart Germany と刻印されている。まさに西ドイツのツァイス・イコンの本拠地シュトゥットガルトなのだ。フィルムを入れればすぐにでも撮影出来るほど状態は良い。
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