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珍しい本

  • 2008年05月09日
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今日は、少しと言うか、大変と言うか随分珍しい本を取り上げてみようかと思う。一つは音楽学者であった林謙三氏が、1936年に著した『隋唐燕樂調研究』、もう一つは中国の程午加氏が1959年上海文芸出版社から出版した『月琴、秦琴、三弦』と言う本だ。取り上げてみるといっても此処では中身を紹介する訳ではないのでお見せするということだが、縁あって今二冊とも私の手元にある。

 

 

『隋唐燕樂調研究』  林謙三

 



1936年11月初版1955年11月重印と印刷されている。林謙三氏は日本人だが実はこの本は中国語で書かれ中国でしか出版されていない。訳者は郭沫若氏。郭沫若氏のことは私がとやかく言うまでもなく中国を代表する作家で周恩来の右腕と言われ副首相にまでなった人だ。戦前の一時東京の市川に住んでいたことがあるので、そのとき林謙三氏と縁があったのかもしれない。私は全くその辺のことは知らないがその筋の人は良くご存知だろう。
この本は隋、唐時代の俗楽と言う音楽の分野の研究書だが、私はこの本から唐時代の音楽の基本的なこと、とくに角調のことを教わった。角調といってもなんのことか判らないと思うけれど、まあ中国式の音楽の調の型のようなものです。日本にも少し伝わっていますが。
とにかくこの本は今ではなかなか手に入りません。 

 

 

 

『月琴、秦琴、 三弦』  程午加

 

 

 

 

1959年上海文芸出版社から出版された本だが、この本は非常に珍しい本で今ではほとんど入手不可能だと思う。「秦琴の歴史」の要旨で “1950年代頃までは....." のくだりはこの本を参考にした。本当にこの本を手に入れられたのが不思議だが、最初にこの本の存在を知ったのは、岸辺成雄氏と林謙三氏の共著の『唐代の楽器』のどこかの”注”に書いてあったのだが、やはり秦琴弾きとしては気になったのでなんとか探し当てた。まあ私が探し当てたと言うよりは京都の本屋さんなんだけれど。ありがとうございました。

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