先日大町さんご夫婦のコンサートに行ってきました。横浜みなとみらいホール(小)です。大町正人さんはボニージャックスのメンバーで40年余り活動をされ、今は奥さんのますみさんと一緒にコンサート活動をなさっています。病を患っていられると聞いていましたがお元気そうで本当になによりでした。私は、いつだったかもう憶えていない程以前に浜町の好文画廊という画廊で、私が秦琴を演奏しその後でボニージャックスのすばらしいアカペラのハーモニーを聞かせてもらいました。そんな縁で奥さんのますみさんとは朗読に合わせて秦琴を演奏したり、また坂東玉三郎公演「海神別荘」の音楽録音の時はハープ奏者の井上久美子さんを紹介していただいたりと色々お世話になりました。
アットホームなコンサートでした。私の知らない曲もありましたがどれもシンプルで良い曲ばかりでした。ステージの上から紹介されたときはビックリしてしまいましたが、コンサートの最後の曲の「レット、イット、ビ、ミー」という曲をお二人で歌われている時何故か目頭が熱くなってしまいました。大変アットホームなコンサートだったんですよ、そんなコンサートなのに、二人のお元気そうな姿を見ていたら涙がポロポロと出てきて、涙が出る程感激してた訳でもないんですよ、なのに・・・。自分でも楽しく聞いていたのに、本当に自分でも良く判らないんだけれど・・。
その時ふと、人は、人間は、っていうのかな、今日は星がきれいだなあ、風がすずしいね、月があかるいね、雨が気持ちいいねとか、花がきれいだねとか、それで十分な訳で、そう思えれば宗教も崇高な哲学もいらないんじゃないかと、そんなことが心にふと湧いてきました。アンコールの最後の曲「what's a wonderful world」のように、この世はなんとすばらしんだ! と思えば、そんな豊かな心になれば最早本当にそれで十分です。忘れていた心を思い出しました。