演劇倶楽部「座」公演『高野聖』の写真が届きました。池袋「あうるすぽっと」公演の写真です。
「座」の主宰者である、壤さんが上手(ステージに向かって右ですね)に居て、僕は下手、つまり左手に居ます。その真ん中で役者さんが演技をします。台本は脚本化されたものではなく、小説をそのまま読むのです。つまり『詠み芝居』ってことなんです。この演劇様式は「座」が始めたもので、『詠み芝居』と云う言葉は「座」の商標登録になってます。勝手に他の劇団が使うことは出来ないのです。
壤さんの、太くて良く通る語りの声がホールに響き、『高野聖』の物語が進みます。
撮影は山之上雅信氏です。いつもすばらしい写真ありがとうございます。
物語は、ある若者と中年の僧侶が旅で出会い、僧侶の若いときに出会った話を、 その若者が聞くと云う形で進みます。
若僧が山道に迷います。左に背後霊のようにいるのが僕。出番がないときはじっとして岩になってます。これがけっこうつらいですよ。台本を目で追いながら。
その山道で蛭(ひる)の大群に襲われます。僕の吹く粘土笛がピャッーと響きます。
山奥の一軒家に迷い込み一人の謎の女性に会います。来る男、来る男を誘惑して 蛙や蝙蝠や馬に変化させてしまいます。
女は若僧を誘惑にかかります。しかし彼は誘惑に負けませんでした。これって、二人とも男ですよ。女は高野さん、若僧は中山さん。初演から二人の熱演です。このときちょっと妖しい秦琴の音が鳴ってます。
しかし、彼は迷います。その煩悩は二人の踊りで表現しています。早いテンポの秦琴の音のなかで二人は踊ります。振り付けは日本舞踊家の林千枝さんです。
しかし、雷鳴の音で目が覚めた若僧は大雨が降るなか急ぎ山を下ります。
秦琴のソロの場面もありました。