- 2015年3月11日 21:14
3月11日、4年目を迎える。音楽家として何も出来ない、出来なかった、今も自分に棘のように刺さって抜けない。昨年出したCD『満月の滑空』の表題曲「満月の滑空」は、そんな思いを込めて三年程前に作った詩を檀ふみさんが朗読をして収録した。NHKのラジオで2〜3回かかってはいるが、CD自体もそれほどセールスがあるわけでもないので、ほとんど世間の耳目には届けられていない。私の音楽活動はいつもこんな感じなのでいまさらだけれども、どなたか、なにか詩の朗読会の機会あらば、この詩をプログラムの一篇に入れて朗読して下さい。どなたが朗読しても詩の想いは変わりません。
日本列島は人の体のようなもので、右手が傷んだ時にまだ左手があるから大丈夫、ということはない。体は全力を挙げて右手を直しにかかる。私達は、福島、東北の人たちを決して忘れることはない。
「満月の滑空」
http://akifukakusa.com/myfavorite/2011/01/post-29.html
夜はいつも 静かに明ける
時には 懐かしく
時には 希望に満ち
夜はいつも 静かに明ける
時には 悲しみの中に
時には 変わらぬ太陽が街を照らす
天上に輝く月は 尚美しく
無言の銀河の星々は 尚美しく
漆黒の大空を 円を描き 雲を切り 影絵のように飛ぶ鳥の
その広げた両の羽に 溢れるばかりの思い出を載せて
海も大地も愛おしく 風のにおいも愛おしく
幾度かの冬が過ぎ 幾度かの春を迎へ
幾度かの夏の盛りの青い葉が 秋の黄色の画を描く時
幾千の幾万の鳥達が その嘴に小さな思い出を携えて
故郷に帰って来る
そのざわめきの中に 私達は 喜びが思い出の中から
静かに微笑んでいるのを 見るだろう
そのざわめきの中に 私達は 人の心のつながりが
木々を潤す水のように 尊いことを知るだろう
そして又 夜はいつも 静かに明ける
時には 君がそばにいるように
そして又 夜はいつも 静かに明ける
小さな芽吹きが 希望に変わるように
夜はいつも 静かに明ける
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